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June 6, 2013
IBM PC,IBM PC/XT,IBM PC/ATの出荷台数の歴史的推移(1981-1987、単位:万台)
| 初代PC | PC/XT | PC/AT |
1981 | 2 | − | − |
1982 | 14 | − | − |
1983 | 40 | 10 | − |
1984 | 87 | 28 | 6 |
1985 | 48 | 56 | 36 |
1986 | 28 | 55 | 35 |
1987 | 6 | 22 | 26 |
[出典]Lele,Milind M.(1991). Creating Strategic Leverage: Matching Company Strengths with Market Opportunities, John Wiley & Sons,p.204の図を基に作成
〔参考資料]IBM・PCの販売台数(1981-1983) |
1983年は推計値 |
| 1981 | 1982 | 1983 | 累計販売 台数 |
米因内(小売店経由) | 10,000 | 50,000 | 88,000 | 148,000 |
米因内(直販) | 20,000 | 75,000 | 150,000 | 245,000 |
海 外 | 0 | 0 | 50,000 | 50,000 |
合 計 | 30,000 | 125,000 | 288,000 | 443,000 |
[出典]内田登美雄「IBM-PC Appleを退け,パソコンの主役へ:いま,米国のコンピュータ/半導体業界は4」『インターフェース』1983年5月号、p.275。
なお同記事では、下記のように米国コンピュータ市場でまだAppleが相対的に優位であるものの、1983年内にIBMに抜かれるであろう、ということが書かれている。
1982年10月末,ある米国コンピュータ市場の予測がでた --- IBMパーソナル・コンピュータ(PC)は、1983年内に、宿敵AppleII、IIIを売り上げで追い抜き、IBMは、パソコン分野でもナンバー・ワンの地位を獲保する。6カ月後の今、米国のパソコン市場は、この予測が的中しそうな動きをみせている。・・・このIBM攻勢を受けてたつAppleは、いま、大きな営業戦略の壁にぶち当たっている。・・・Appleは、価格、ソフトウェア、メモリ・オプションなどでも、IBM・PCに優位の座を明けわたすことにならざるをえないかもしれない」
「Appleの対抗手段は、速く、タイミングよく新製品を市場に出すことしかない。」
「今年に入ってからの両者の新製品発表をくらべてみると、Appleは、1月に10,000ドル・コンピュータLisaを発表。続いてMacintosh(2,000ドル・コンピュータ)、ホーム・コンピュータ(HC)のE.T.(コード・ネーム)を待機させている。一方、IBMは、3月8日PCの上位機種XT(Extended)を発表。つぎは、System23をリブレースするマルチ・ターミナル方式で、自社製ハード・ディスクOSを採用した機種を、さらにPeanut、Popcornという低位機種(HC化)までにパソコン製品系列化構想をもっている。いつ、どちらが(さらに他ノーカ)が、どんなパソコンを出すか予断は許さないが、製品系列化戦略からしても、IBMが、頭ひとつ群を抜いている、とみるのが妥当であろう。
なお後知恵的にはおかしなことに思えるが、この記事では、IBM互換機メーカーに関して次のように、価格競争でIBMに敗北する、と予測している。
IBM・PCプラグコンパチ・メーカ --- 新興メーカが続々台頭してくるが、IBMと最終的には価格競争で敗退してゆく。
さらにまた本記事では、市場アナリストの「IBM。そのものがコンピュータだからだ。すなわち、コンピュータそのものの定義が多様化し、従来のビジネス用コンピュータからHC、PC、とその裾野が広がるとき、IBM自身もまた裾野を広げているのである。大きく、力強く、しかも高速で。そして、いま、PCを振り出しに新しい"PCの牙城"を構築しているのだ」という言葉を紹介している。