セーヴァリ揚水機の作動原理
右図の左側部分は「炭坑の中にどのように設置してどの程度揚水するのか」を示した図である。また右図の右側部分は水蒸気発生部のボイラー、水の吸い上げや噴出の際に貯水用として使われている紡錘型タンク、水蒸気配管などから構成されるセーヴァリ揚水機の構造を概観した図である。


 セーヴァリ揚水機の作業原理は下記のようになっている。
  1. ボイラで生成された水蒸気を紡錘形タンクの中に注入することで、その紡錘形タンクの中に吸い上げられていた水を上部から噴出させる
  2. 紡錘形タンクの中の水が水蒸気によって可能な限り外に噴出して、紡錘形タンクの中に水蒸気を充満させる。
  3. 紡錘形タンクを外から冷水を浴びせて急激に冷却させて、タンクの中の水蒸気を水に戻す。
  4. 紡錘形タンク内の水蒸気が水に戻ると急激な体積減により、紡錘形タンク内の気圧が極めて低い値になる。
  5. 紡錘形タンクの適当な弁を開いて、大気圧の力で下から紡錘形タンクの中へ水を取り込む。すなわち、水を下から吸い上げる。

 (1)のプロセスにおける水の噴出作業と、(5)のプロセスにおける水の吸い上げ作業を組み合わせて連続的に実行することで、より深い場所から水を連続的に汲み上げることを可能とさせる揚水装置がセーヴァリ揚水機である。
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