--- 技術史記述と技術規定との連関 ---
第一期 | 工業史の独立=個別工学者の協力 | 1897-1931 |
第二期 | 工業史論の成立=技術論の探求 | 1932-1935 |
第三期 | 技術史論の模索=技術史学への準備 | 1936-1941 |
(19) | 岡邦雄、同上書、p.84。また規則は「十分に理論化されていない法則」であり、科学である技術学の中に含まれるとする見解もある。例えば、山崎俊雄「技術とは何か」『現代技術と技術者』p.24。 しかし技術における規則は、自然科学の法則のような純粋な対象認識ではない。三枝が技術を判断力の問題として論じたことにも示されているように、技術における規則は、人間の価値観などと関わる価値的な認識でもある。 したがって技術的規則(技術的法則)と技術学的法則を一緒に扱うものとして技術学を規定するのであれば、技術学を科学であると規定してしまうことは一面的であるということになる。 右側交通か左側通行かという交通規則がそうであるように、規則は、労働過程における人間の目的意識との関連で形成されることからくる恣意的な性格を基本的に持つ。それゆえ技術における規則は、自然科学的認識のような純粋な対象認識ではない。 |