技術戦略論2014.12.05

[前回の授業内容]技術戦略論2014.11.28
[次回の授業内容]技術戦略論2014.12.12
[今週の授業内容]製品のFunction(機能)とPerformance(性能)の区別という視点から見た、製品イノベーションにおける技術戦略の考察
 
1.次世代製品開発における「New Function(新機能)」実現問題と「High Performance(大幅な性能向上)」実現問題
本視点からは、次世代製品開発という製品イノベーションにおける下記の二つの技術的選択が問題となる。
1) 「次世代製品にどのような「New Function(新機能)」を付与するのか?」という技術的選択
2) 「次世代製品に付与する機能それぞれに関して、その性能をどの程度にするのか?」という技術的選択
 
2.任天堂DSという次世代製品開発における「New Function(新機能)」実現問題と「High Performance(大幅な性能向上)」実現問題
1) 「ゲームボーイアドバンスから任天堂DSへの製品イノベーションにおいて、どのような「New Function(新機能)」付与がなされたのか?」
「タッチスクリーン」機能、「音声認識」機能という旧世代製品にはなかった新機能を実現することで、同世代競合製品であるソニーのPSPに対する競争優位性を確保した。

任天堂DSに付与された新機能「タッチスクリーン」機能を利用した新しいタイプのゲームソフトに、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」がある。同ソフトは、「タッチスクリーン」機能を利用して「計算結果を手書きする」計算20や計算100といったクイズ、「A→ア→B→イ→C→ウ・・・といった順番で文字から文字へできるだけ速く線を引く」順番線引クイズ、および、「音声認識」機能を利用して「計算問題を声で答える」計算クイズ、「画面に表示される「色の名前」の「文字自体の色」をニンテンドーDS本体のマイクに向かって声を出して答える」色彩識別クイズ「1から120まで声を出してできるだけ速く数える」高速数えクイズなどで人気を博した。
2014年3月末時点で同ソフトの全世界での連結累計販売数量は1,901万本である。

任天堂DS対応ソフトで任天堂製のもので最も売れているのは「Newスーパーマリオブラザーズ」で3,075万本、第2位は「マリオカートDS」で2,356万本、第3位は「nintendogs」で2,396万本であり、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は第4位である。
[出典]任天堂(2014)「株主・投資家向け情報 > 販売データ > 主要ソフト販売実績 > 任天堂DS用ソフト(2014年3月末時点)」
http://www.nintendo.co.jp/ir/sales/software/ds.html

 

2) 「ゲームボーイアドバンスから任天堂DSへの製品イノベーションにおいて、主要機能の性能はどの程度にされたのか?」
 授業では、画面表示機能に関して、「ディスプレイ画素数(画面解像度)」性能と「ディスプレイ発色数」性能という二つの性能に関して、ゲームボーイからゲームボーイアドバンスへの製品イノベーション、および、ゲームボーイアドバンスから任天堂DSへの製品イノベーションにおいてどのような技術的選択がなされてきたのかを論じた。
 また、同世代の競合製品であるPSPとの性能比較に関しては、下記資料を基に考察をおこなった。
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