技術戦略論2015.10.01

[次週の授業内容]技術戦略論2015.10.8
 
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[今回のポイント]
1.技術戦略を理解するための前提的視点 — Technology, Product, Business, Market
(1) 新しいproduct(製品)の production process(生産プロセス)に関する図式的把握
Technology + Market
  ↓
Product Concept(製品コンセプト)
  ↓
Product Design(製品デザイン・製品設計)
  ↓
Product Manufacturing(製品製造)

(2) 上記の図式理解において注意すべき事項
a. Technology開発とProduct開発を区別すること
「同一の技術を用いて異なる製品コンセプトの下に、多種多様な新製品が開発されている」
「複数の技術を用いて新製品が開発されている」

 
2.Product Concept(製品コンセプト)、Product Design(製品デザイン・製品設計)、Product Manufacturing(製品製造)に関する理論的理解と具体的事例
 
ex.1 「自動車」というProductに関する製品イノベーションの分析
 
「環境に優しい技術」というTechnology seeds
a. 電動モーター技術
 
b-1. 電池技術(その1) — 燃料電池技術
18世紀末におけるボルタの電池の「発明」を利用して、1800年頃には水の電気分解という科学的現象が発見された。「水に電気を流すことで、水を水素と酸素に分解できる」という水の電気分解現象(2H2O+電気→2H2+O2)は、その逆のプロセス「水素と酸素を結合することで、水と電気を生成できる」という水素燃料電池の技術的可能性を示すものであった。1839年にはSir William Robert Grove水素と酸素を結合させて水と電気を発生させる装置を実際に作っている。

b-2. 電池技術(その2) — 充電池技術
ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池

走行時のCO2排出量やNOx排出量をゼロまたは従来よりもかなり低減した自動車製品
Product Concept
1) Product Concept A>「走行時のCO2排出量やNOx排出量がゼロであるクリーンな自動車」
次回に論じるように、同一のTechnologyおよびMarketを基に創出可能なProduct Conceptは、数多くある。ただし今回は説明の単純化のため下記のように一つのProduct Conceptだけを論じる。
多様なProduct Designの展開
Product Concept Aに基づく諸Product Design
A-1.「燃料電池」車(「一次電池=燃料電池」型電気自動車, Fuel Cell Vehicle, FCV)
A-2.「電気自動車」車(「二次電池=充電池」型電気自動車)(その1)— 従来型電気自動車
A-2-1 「ニッケル水素電池」型電気自動車
A-2-2 「リチウムイオン電池」型電気自動車
A-3.「電気自動車」車(「二次電池=充電池」型電気自動車)(その2)— インホイールモーター(In-wheel motor)型電気自動車
Product Conceptをどのようにproduct designとして具体化するのかは技術的選択の問題として複数の選択肢が一般に存在する。ここでは、「走行時のCO2排出量やNOx排出量がゼロゼロであるクリーンな自動車」というProduct Conceptを満たすproduct designが下記のように複数存在することを取り上げる。
 
[注意事項]
電気自動車というproduct design自体は新しいものではない。電気自動車という製品自体はすでに19世紀末には商品化され、一定程度販売されていた。またエジソンも自らが開発した充電池の販売拡大のために電気自動車の普及を図っている。ただし電気自動車はガソリン自動車との競争に敗れ、社会的普及に失敗した。
 
 
[関連参考資料]
充電池技術
 
Product Design A-1>「燃料電池」車(「一次電池=燃料電池」型電気自動車, Fuel Cell Vehicle, FCV)
 
Product Design A-2>「電気自動車」車(「二次電池=充電池」型電気自動車)(その1)—- 従来型電気自動車
 
Product Design A-3>「電気自動車」車(二次電池=充電池型電気自動車)(その2)—- インホイールモーター(In-wheel motor)型電気自動車 —-
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