先週は、PC用CPUを例に取って、モトローラが前者の戦略を、インテルが後者の戦略を取ったことを説明した。
PC用CPUでは「差別化」と「互換性維持」の両立が困難であるが、ゲーム専用機という製品では「差別化」と「互換性維持」の両立が不可能ではない。(PCでも16ビット登場期には、NEC PC98-DOや富士通 FM-11 8bit/16bit両用機(7種類のOSが動作)Duoのようにそうした製品が存在した。)
「性能向上」重視戦略(「差別化」重視戦略)vs 「互換性維持」重視戦略(「バンドワゴン効果」重視戦略)vs 「両立」戦略
「両立」戦略が可能なのはゲーム専用機の特徴による
ゲーム専用機の特徴
1.同一機種(同一プラットフォーム機種)の大量生産=大量販売
2.同一機種(同一プラットフォーム機種)の比較的長期期間にわたる利用
3.最初は既存モジュールの転用、やがて専用チップの新規開発による差異化へ
技術的視点から見た差異化と低コスト化
A.差異化 —- 新規研究開発投資、新規設備投資といった固定費の必要性
1.新機能実現
2.大幅な性能向上の実現)
B.低コスト化 —- 既に研究開発済みのモジュールの転用(活用)、既存生産設備の転用(活用)
1.既存モジュールの転用(活用)
2.既存技術の転用(活用)
技術的説明
MIPS=Million Instruction Per Second
1秒間に処理できる情報量=「1度の処理で取り扱える情報量」×「1秒間に処理できる回数」
CPU — 8,16,32,64
GPU — 8,16,32,64,128
(Graphic Processing Unit)
画像に関する指示命令をもとにGPUが画像データを生成
画像データを直にもつことは大変
DVD画質(約30万画素)でも、1ドット当たり3byte(24bit)のデータ量
R、G、Bそれぞれに1byte(8bit)の情報量
1画面で3byte/画素×30万画素=90万byte≒0.9MB
1秒間に60画面なので1分間には3600画面
したがって1分間の動画で非圧縮ならば
0.9MB×3600=3240MB≒3GBものデータ量になる
したがって画像データで持つのではなく、画像に関する指示命令データで持つようにする
Dhrystone – Wikipediaja.wikipedia.org/wiki/Dhrystone
Dhrystone(どらいすとーん)は、1984年に Reinhold P. Weicker が開発した合成ベンチマークプログラムであり、システム(整数)プログラミングの性能に注目したベンチマークである。Dhrystone は、SPECint として知られている CPU89 ベンチマークが現れる …
製品単価=総費用/総生産数
=(可変費用+固定費用)/総生産数
=可変費用/総生産数+固定費用/総生産数
=限界費用+固定費用/総生産数
限界費用は、「経験曲線」効果(ex.カイゼン)で低減
固定費用/総生産数は、総生産数の増大による「規模の経済」効果で低減
マジコンについての質問あり