技術戦略論2014.11.21

[前回の授業内容]技術戦略論2014.11.14
[次回の授業内容]技術戦略論2014.11.28
[今週の授業内容]
1.補完財によるバンドワゴン効果に起因する、同世代製品間競争における競争優位
汎用的補完財 vs 専用的補完財
同世代の競合製品のどれでも利用できる汎用的補完財は、製品間競争における競争優位に関してneutralである。
例えば、1970年代後半期に登場したカセットテープ型ビデオデッキ(日本ではVideo Tape Recorderの略としてのVTRという表記が一般的であるが、英語圏ではオープンリール型との区別してVideocassette Recorderの略としてのVCRという表記が一般的である)

に対するアナログ地上波テレビ放送という補完財は、どの技術的方式のVTR製品でも同じように利用できる汎用的補完財として、製品間の競争関係に影響を与えなかった。

 ただしこれは、テレビ放送の機能・性能に対してVHSもβも同じにように対応できたためである。VHSやβ以前に存在したモノクロ形式での録画しかできないVTR製品はカラーテレビ放送という補完財を十分には利用できないため、競争劣位に立たされた。
 
ex.1 VTR機器本体に対する専用的補完財としてのレンタル・ビデオソフト —- VHS専用ビデオ・ソフトおよびベータ専用ビデオ・ソフト
ex.2 ゲーム専用機本体に対する専用的補完財としてのゲーム・ソフト — ファミコン専用ソフト、PS専用ソフトほか
 
2.補完財によるバンドワゴン効果に起因する、新製品開発におけるトレード・オフ関係
新製品開発においては、「新世代機における旧世代機との互換性維持重視」と「新世代機における旧世代機からの飛躍的な性能向上」がトレード・オフ関係にある。
 
3.ハード製品本体に対する補完財として競争優位関係に影響を与えるのは、専用的ソフトウェア以外にも、「本体ハード製品に関わる知識、開発ツール、生産設備、開発作業や製造作業における熟練」、「専用的ソフトウェア製品に関わる知識、開発ツール、生産設備、開発作業や製造作業における熟練」がある。
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