技術戦略論2015.12.03

[前回の授業内容]技術戦略論2015.11.26
[次回の授業内容]技術戦略論2015.12.10
[今回の授業内容]
製品イノベーションにおける「radical/incremental」、「非互換/互換」という二つの技術的選択
技術的にradicalなイノベーションでは、旧世代機に対する飛躍的な性能向上の実現が一般に期待できるが、製品技術(product technology)や製造技術(production technology)に関しては旧世代技術に関わる様々なresourceを利用できないことが多いし、コスト増なしに旧世代製品との互換性確保を実現できないことが多い。(製品イノベーションにおいてすぐに製品の飛躍的な性能向上を実現することは、「他企業で既に開発済みであるが、当該製品セグメントでまだ未利用である」ような既存技術を利用する場合には可能であるけれども、新技術開発が必要な場合には、技術のS字曲線的発展に示されているように、飛躍的な性能向上の実現には、一定の時間がかかることが多い。)
その逆に技術的にincrementalなイノベーションでは、旧世代機に対する飛躍的な性能向上の実現が困難になることが多いが、製品技術(product technology)や製造技術(production technology)に関しては旧世代技術に関わる様々なresourceを利用できることが多いし、コスト増なしに旧世代製品との互換性確保を実現できることも多い。

ここでは、「性能向上よりも先行製品との互換性をなるべく維持する方向で製品開発をおこなう」ことを「互換性維持」重視戦略と呼び、「先行製品との互換性維持よりもなるべく性能向上を実現する方向で製品開発をおこなう」ことを「性能向上」重視戦略と呼ぶことにしよう。

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