2018.04.16 経営技術特論A

1.イノベーションの階層性
1. 技術革新(Technological innovation)
2. ビジネス・イノベーション(Business innovation)

 

ほかに、産業、経済、社会といったレベルでもInnovationを論じることができる。
本授業では、基本的には 技術革新(Technological innovation)を対象とする。

 
2.ビジネス・イノベーションと技術イノベーションを区別する理由

(理由2は当日の授業中には紹介していません。後の授業で取り扱います。)

理由1.新しい技術革新なしでも、ビジネス・イノベーションは遂行可能であること
新発見・新発明がなくてもイノベーションは遂行可能
既存の発見・既存の発明でもイノベーションは遂行可能
 
理由2.技術イノベーションは、その最初期から企業収益に貢献するわけではないこと
初期段階の技術イノベーションは、企業として有意味なビジネスを最初期から提供するわけではない

ex.1 炭素繊維技術に基づくビジネス
 「石の上にも50年 執念で生き残る」(特集 東レ 勝つまでやり切る経営 Part 2)
 『日経ビジネス』2014年10月27日号, pp.34-39
 
3.Business Administration vs Public Administration
経営学部=Faculty of Business Administration
行政=public administration
 
4.イノベーションの分類
product innovation vs (production) process innovation

燃料電池車というproduct innovation
トヨタ生産方式を支える改善(Kaizen)という(production) process innovation
 
5.授業で前提としている基本的発想法

1) MarketとTechnology → New Product

Market (Market Needs)  +  Technology (Technological seeds)
        ↓         ↓
        New Product
 

2) New Productを創る・造る内的構造

事例1

   1.新しい製品コンセプト(どこでも音楽を気軽に聴ける製品)
          ⇓
   2.新しい設計
    2-a 新しい製品機能設計(小型・軽量かつ電源コンセントのない室外でも使える機能)
          ↓
     2-b 新しい製品構造設計(×大型のオープンリール型テープ→小型カセットテープ
             、かつ、×電源コンセント→電池駆動という構造)
          ↓
     2-c 新しい工程設計
          ⇓
   3.新しい生産
 

事例2

   1.新しい製品コンセプト(環境に優しい自動車製品)
          ⇓
   2.新しい設計
    2-a 新しい製品機能設計(CO2を排出しないで走行できる機能)
          ↓
     2-b 新しい製品構造設計(一次電池=燃料電池を使う構造 or 二次電池=充電池を使う構造)
          ↓
     2-c 新しい工程設計
          ⇓
   3.新しい生産
 
6.後期授業で前提としている基本的発想法
Product designに関する基本的思想(構想)としての「製品アーキテクチャ」

 
「組み合わせ」型 = modular architecture – PC製品に典型的なアーキテクチャ(米国や中国が強い)

    vs
    

「擦り合わせ」型 = integral architecture – 普通乗用車製品に典型的なアーキテクチャ(日本が強い)

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