経営技術論2014.4.18

[前回の授業内容]経営技術論2014.04.11
[次回の授業内容]経営技術論2014.04.25

[授業配付資料]

[授業内容](一部、追加修正あり)

1. 競争優位の持続性を形成するものとしての、他社が模倣困難な経営資源

a. 先駆者(first-mover)の競争優位の実現を可能にした要因に模倣困難性が高ければ、競争優位が持続する。模倣困難性が低ければ、自社の優位性を導いた要因を他社が模倣できるため競争優位は持続しない。
ex.1 「対面取引」型証券取引から「ネット取引」型証券取引へのプロセス・イノベーションにおいて先行した松井証券の競争優位性は「口座数」から見る限りにおいて持続していない。
資料にあるように、口座数では、後発社のSBI証券や楽天証券が松井証券を抜いている。
SBI証券-2013年12月末時点資料-6SBI証券(2014)「決算説明資料ー2014年3月期第3四半期」p.6
http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/kessanshiryou_140205.pdf

 
 
b. 他社に対する自社の優位性獲得を可能にした要因の模倣困難性を高める方法に関する経営技術論的アプローチにとしては、ポーターがTechnological leadership戦略と呼ぶ下記のような対応が存在する。

  1. 「特許権・著作権などの知的財産権によって他社の模倣を法的に許さない」
  2. 「技術開発力(技術開発能力)の高さでイノベーションを絶えずリードし模倣する他社の追随を許さない」

参考資料:ポーターにおける技術的リーダーシップ戦略vs技術的模倣者戦略
http://www.sanosemi.com/biztech/document/2014Porter-Technological_leadership.pdf
 
 

2. Product vs Module、Product vs Technology
(1)様々なmoduleから構成されているProductとしてのPC、スマートフォン、ゲーム専用機

(2)様々なTechnologyから構成されているProductとしてのPC、スマートフォン、ゲーム専用機
TechnologyはProductの機能や性能の規定要因/制約要因であるが、同一のTechnologyを用いるにしても多様なProductが可能。
ガソリン自動車は、ガソリン・エンジンというTechnologyを共通に用いているが、多様な機能・性能を持った多様なProduct Designが存在する。
ガソリン・エンジンの排気量は機種によって大きな差がある。

スマートフォンは、液晶技術、電池技術を共通に用いているが、液晶ディスプレイの大きさやコントラスト比に差異が存在するし、電池の容量も差異がある。

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